株式会社ファーストリテイリング/ユニクロ
株式会社GOVリテイリング
営業部 営業第3チーム リーダー 双田 雅人



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大学卒業後、フードサービスで接客、不動産業界で営業職を経験し、2000年2月、27歳の時に㈱ファーストリテイリングに店長候補として入社。
3年間で4店舗の店長として実績を挙げ、その後は、スーパーバイザー、九州地区ブロックリーダーを担当。2008年9月 グループ会社である㈱GOVリテイリングにて営業部リーダーとなり、現在に至る。

何者でもなかった僕を、会社が拾ってくれたと思っています。
その会社を世界一にしたいです


どうすればもっとお店が良くなるか?ということを常に考えていました

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Q:まず、双田さんのご経歴と、ファーストリテイリング(以下:FR)に入社したきっかけについて教えていただけますか?

双田氏(以下S):大学卒業後、学生時代にアルバイトをしていた小さなレストランにそのまま就職しました。元々職人気質なところがあり、当時は日本一のバーテンダーになろうと思っていましたが、ふと一ビジネスマンとしての自分を見た時に、もっと広い視野で色々な経験を積んでいきたいと考え、24歳の時に知り合いの紹介で不動産会社に転職をして2年間営業をやりました。
当時から、いずれ自分で何か商売をしたいという思いがあり、大きな会社でビジネスを学びたい、大きな仕事をしてみたい、という気持ちが強くなっていきました。
FRに入社したのは、ちょうどその頃、ユニクロの店舗が出店したばかりで、雑誌に柳井のインタビュー記事が載っていたのを見て、「この人の言っていることは真っ当だな。こういう会社で働けたらおもしろいだろうな。」と思い、応募をして山口本社で面接を受けたのがきっかけです。その時点では、まだ興味があるという程度だったのですが、当時の役員からその場で、一緒に頑張ろう!と握手を受けて、そのまま入社することを決めました。
入社後の研修は、当時は特にプログラムもなかったので、わからないことは同期の仲間と一緒に、自分達の方から先輩達に聞きに行っていましたね。そして最初の配属先が決まり、1年後に店長になりました。



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Q:それまでとは職種も業界もまったく違う環境の中に入られてみて、入社当時はいかがでしたか?

S:前職のレストランで接客の経験はあったので、そういう部分はすんなり入れたのですが、服をたたむ作業がなかなか慣れませんでした。閉店近くになると、たたんである商品なんてほとんどないのですが、それを全部、手作業で直しているとは思っていなかったんです。一生懸命たたんでも、「もっときれいに」とか、「柄が合っていない」と注意を受けて(笑)。とにかく、毎日お店を回すことに必死で、店長になるまで頑張ろうという気持ちだけが支えでした。
そういう状況の中でも、どうすればもっとお店が良くなるか?ということを常に考え、ちょっとしたことでも提案するようにし、当時はまだアナログなやり方でやっていたことも少しずつ改善して、業務効率を図るように仕組み化していきました。
店長になるまでは、想像していたよりも大変なことが多く、地道な努力ではありましたが、それよりも、これからこの会社がどのように成長していくんだろう?というわくわく感の方が大きかったですね。


自分の裁量でお店を動かせることは楽しい。それだけ任せてもらえる風土がFRにはあると思います

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Q:そして、実際に店長になられてみて、苦労したことと、楽しかったことはどのようなことでしたか?

S:店長になる前は、もし自分が店長だったらこういう店にしようとか、やり方を色々考えていたのですが、実際になってみると、思っていたほど簡単にはいかないこともあり、常に試行錯誤していました。
でも、先程お話した通り、入社前から自分で商売をしてみたいと思っていたので、自分の裁量でお店を動かせることは楽しかったです。
店舗の売上げは店長によって大きく差が出ますので、在庫の発注一つにしても真剣でした。この店の責任者は自分だという意識が高かったですし、それだけ任せてもらえる風土があったと思います。

Q:今でも、店舗のことは店長に任せてもらえる風土があると思われますか?

S:そういう風土は変わっていませんが、今は店舗運営もシステム化が進み、色々な仕組みが整ったことによって、逆に、店長はオペレーションをこなすことに精一杯になってしまうことが増えてきていると思います。
これからは、よりお店を良くするために、時には仕組みも超えて自分なりのやり方を提案できるような人材が求められると思いますし、店長の醍醐味である自分でお店をつくることのおもしろさをもっと感じてほしいと思います。



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Q:双田さんは、数店舗で約3年間、店長としての経験を積んだ後、スーパーバイザー、九州エリアのブロックリーダーと着実にキャリアアップをされ、現在は、グループ会社の営業責任者としてご活躍されていらっしゃいます。
お店づくりにおもしろさを見出していた双田さんにとって、スーパーバイザーから今日に至るまでのマネジメントの領域というのは、思い描いていた方向だったのでしょうか?

S:いずれは独立してユニクロのフランチャイズをやりたいと思っていたのですが、ちょうどその頃に、フランチャイズをやるにはスーパーバイザーを経験しなければいけない、というルールができました。店長の頃から、もしスーパーバイザーになったらこういうことをやりたいというのはイメージしていたので、若いときにマネジメントを経験しておくのはいい勉強になると思いました。


独立したいという思いはなくなりました。それぐらい、FRにいて得るものが大きいです

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Q:今までのお話をお聞きすると、双田さんは明確に自分の軸を持たれていて、会社の指示によって動きつつ、でもそれをちゃんと自分のものにして、楽しみながら次のステップに進んでいらっしゃるというふうに感じるのですが、会社からの指示を後ろ向きに捉えてしまうようなことはなかったのですか?

S:僕は、辞令というのは、自分よりも力量のある人が、自分の行動を見ていてそういう決断をしてくれていると思っているので、見てもらえているということはありがたいですし、その期待に応えたいと思っています。
FRは、商売をする上で力のある人が揃っていて、部下を教育するということに関しての上司の自覚や責任がとても大きいので、その流れに身を任せた方が自分の力も付くと思います。店長の時も異動は多かったのですが、僕はミッションクリア型で、ひとつのことをやったら次のミッションへ進んでいくという方が合っているんでしょうね。
仕事をすることが日常になってマンネリ化するのは嫌なので、常に非日常的なことが起こるような大きな動きの中で仕事をしていたいし、その方がわくわくするんです。だから長い間FRで働いているんだと思います。
今は、グループ会社とはいえ、まったく違う風土の会社で、課題も多く、一からつくり上げているような状況です。もちろん失敗もありますが、だからこそとても勉強になるし、楽しくもあります。



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Q:今後はどのような方向に向かっていきたいと思われていますか?

S:FRに入社する前は、いずれは独立して自分で商売をしたいと思っていましたが、今はそういう気持ちはなくなりました。それぐらい、FRにいてその時々の環境の中で得るものが大きいです。
それに、何者でもなかった僕を会社が拾ってくれたと思っているので、その会社を世界一にしたいという思いがあります。日本の会社に元気がなくなってきている今だからこそ、世界のトップに立つということを実現させたいです。そして、その時の店長コンベンションをイメージすることも、僕のエネルギーの一つになっています。
会社を世界一にすることは、独立することよりも、自分自身の成長にも繋がると思いますので、もう独立する必要はなくなりました。

Q:最後に、双田さんにとって、仕事とは何ですか?

S:これは昔から思っていて、部下にも話しているのですが、子供は遊びが仕事なように、大人は仕事が遊びだと思っています。
僕はFRの中で、すごく大きくて立派なおもちゃをもらっているので、これからもめいっぱい仕事を楽しんでいきたいです。


 日時:2009年5月15日(金)
形式:株式会社GOVリテイリング 双田氏・スピリッツ 河野 対談