株式会社ファーストリテイリング/ユニクロ
UNIQLO UK 店舗運営部長 馬場 宏



kp_uniqlo_baba0http://www.fastretailing.com/jp/

1999年に大学を卒業後、建材メーカーに入社。その後2000年10月に中途採用にて株式会社ファーストリテイリングに店長候補として入社。
その後、入社後最短の5ヶ月で店長に昇格、3店舗の店長として実績を挙げ、スーパーバイザー1年半、ブロックリーダー3年半経験後、2008年3月よりユニクロUKの営業責任者を任され、現在に至る。

世界中にユニクロを出店させ、FRを世界一にすることを実現させたいです


「完全実力主義」というフレーズに強く興味を持ち、応募しました

kp_uniqlo_baba1

Q:馬場さんは、大学卒業後、建材メーカーで一年半法人営業を担当され、2000年にファーストリテイリング(以下:FR)に入社されました。
なぜ、FRだったのでしょうか?

馬場氏(以下:B):前職のときも、仕事は楽しかったですし、会社からもそれなりに評価されていましたが、仕事に慣れてきた頃から、本当にこのままでいいのだろうか?と考えるようになりました。そんな時、求人情報誌でユニクロの、「完全実力主義」という広告が目に入り、そのフレーズに強く興味を持ち、応募したのがきっかけです。

Q:入社されてから、5ヶ月で店長になられていますが、とても早い昇格ですよね?

B:そうですね。中途入社の同期の中でも一番早かったです。
その後、一度本部の仕事を経験し、再び現場に戻ってから1年半後にスーパーバイザーになりました。思い描いていた通り、完全実力主義の会社でしたね。


会社とか事業とか言う前に、まずは人の集団としてコミュニケーションをとる。そこを徹底的にやり続けました

kp_uniqlo_baba2

Q:異例の早さで昇格をされてこられ、現在は、UKの責任者としてご活躍されていらっしゃいますが、海外勤務は、ご自身で希望されたのですか?

B:そうです。まだUKに異動になる前ですが、北海道エリアでブロックリーダーを担当しているとき、気候なども他の都市とは違うため、チラシの内容やPL等も、会社から決められたものではなく、自分で北海道の各店に合ったプランを考えながら実行していき、一定の成果を出すことができました。その時に、自分で事業を組み立てることのおもしろさを感じ、もっとマネジメントの幅を広げたい、いずれは海外の店で難易度の高いことにチャレンジしていきたいという思いを持つようになりました。

Q:UKへの異動が決まったとき、最初に何を思われました?また、実際に現地に行かれてみて、いかがでしたでしょうか?

B:異動が決まって最初に思ったのは、UKは、2001年にユニクロが初めて海外に出店した国であり、そういう意味では一番歴史もあるのに、未だ業績向上に苦しんでおり、それを根本的に改善するしかない、それだけでした。
苦戦の理由は、日本と違い、営業、商品企画、マーケティング等、各部署間で連携を取りながら売上げをつくっていくという、事業としての一連のサイクルが全く機能していないということでした。僕が異動した当初は、20人くらいの規模なのに、店と本部、日本人と現地人、というふうにメンバーが分かれてしまっていて、全くコミュニケーションが取れていない状態で、僕はほとんど英語を話すことができませんでしたが、片言の英語とジェスチャーだけで笑いを取りながら、「会社とか事業とか言う前に、まずは人の集団としてコミュニケーションをとりましょう!」というところからはじめました。
トップは日本語が話せず、言葉の壁に苦労もしましたが、とにかく徹底的にコミュニケーションをとることを続けて、一年半経った今は、かなり意思疎通がとれるようになったと思います。



kp_uniqlo_baba3

Q:そのような経験を通して、馬場さんがUKで得たものはどのようなことでしょうか?

B:英語の語学力はもとより、ユニクロの事業についてもそうですが、日本の市場や国民性、日本人の素晴らしいところや弱いところ等も含めて、日本という国を客観的に見ることができるようになりました。
それに、社長の言う「世界一を目指す」ということについても、日本を出てから初めてリアルに感じることができましたね。海外にはまだまだ出店していない場所がたくさんあり、その分可能性も無限にあると思っています。



kp_uniqlo_baba4

Q:まさに、グローバルを身をもって感じていらっしゃると思いますが、とはいっても世界一になるためには、まだ足りないと感じるところはありますか?

B:僕がそうだったように、いくら会社がグローバルだと言っても、実際は、社員の大半がまだ本当の意味でのグローバルを知らないと思います。そうすると、どうしても日本でやってきたことを中心に考えてしまう。会社の方針や理念を曲げる必要はないのですが、それを現地のメンバーに浸透させていく方法は、各国で全然違うと思うんです。例えば、スタッフの教育一つにしても、日本は店にマニュアルを置いておけば皆が読めますが、UKは、英語が母国語ではないスタッフも多数おり、マニュアル、文書をきちんと理解できないスタッフもおります。日本の新入社員にとっては、店にいる全員が見本ですが、全ての国でそうなれるとは限りません。まずは、その国に合ったオペレーションを創り上げていくことが大切なのではないかと思います。


ユニクロは、安定志向よりも、ハングリー精神のある人を必要としています

Q:馬場さんは、ユニクロの店長や営業系のお仕事には、どのような人が必要だと思われますか?

B:まず、人が大好きであることと、お客様はもちろん、チームメンバーや、自分に関わる周りの人達の幸せが、自分にとっても幸せだと思えるようなサービス精神があることが大事だと思います。日本にいる頃は採用面接にも関わりましたが、会社の知名度が上がっていくにつれて、安定した大きな会社に入りたいという思いから応募されている方が増えてきているような気がします。一見、僕のようなおじさんが海外に配属されるなら誰でも行けるのではないかと思うかもしれませんが(笑)、小売業界である以上、そこに至るまでにやらなければいけないことというのは、泥臭い面もありますので、それをこなしていくハングリー精神も必要だと思います。



kp_uniqlo_baba5

Q:馬場さんの今後2.3年くらいの短期的な目標をお聞かせいただけますか。
また、将来的には、FRをどのような会社にしていきたいと思われていますか?

B:短期的な目標は、まずはUK事業を黒字体質にし、グループの業績向上に貢献することです。着任してから1年半で一定の改善は見えましたので、来期以降安定的に利益が出せるレベルまでもっていきたいと思います。
将来的には、会社の目標でもありますが、世界中にユニクロを出店させ、FRを世界一にすることを実現させたいです。そして、僕自身もUKに留まらず、ヨーロッパという大きな領域をマネジメントできる人材になりたいです。
僕は、どんな組織であってもマネジメント層の果たす役割はとても重要だと思っています。規模の大きさに関わらず、そのチームのトップになったら自分がそこの社長だと思わなければいけない。厳しいことを言いながらも、結果が出たときは褒めて、自分の家族と同様に、愛情をかけていかなければいけないのではないかと思います。会社としても、一人でも多く真にマネジメントできる人材を育てる必要がありますし、いずれは社員全員が100%幸せだと言えるような優れた労働環境等も持ち合わせた会社にしたいです。
そこに到達するまでにはまだまだ時間がかかるとは思いますが、必ず実現させたいと思っています。



kp_uniqlo_baba6

Q:最後に、ユニクロで一生を過ごしたいと思われますか?

B:はい、思います。
転職を考えるときって、会社に対して不満があるときや、自分がさらに成長したいと考えるときだと思いますが、ユニクロは、僕が不満を感じるよりも先に、会社からどんどん新しい環境を提示してくれますし、僕自身も、次にやりたいことを自分から常に希望してきました。
FRは、手を挙げれば、自分が行きたい方向に導いてくれる会社です。それにはもちろん、それなりの厳しい評価もついてきますが、だからこそやりがいもあります。
社長がよく、商売はスポーツと一緒だと言っていますが、僕もその通りだと思っています。スポーツは練習すればするほど上達するように、商売もやればやるだけ自分の身に付きます。
僕にとって仕事はまさにスポーツですから、これからもたくさん練習をして、プロの商売人として、生涯FRで仕事をしていきたいです。


日時:2009年7月15日(水)
形式:UNIQLO UK 馬場氏・スピリッツ 河野 対談